A DAY IN THE LIFE

#01 I Remember You

毎日のように海岸に散歩に出かけていた。
人が少なくなる秋から春にかけては、砂浜は絶好のドッグラン。
大好きなボールを咥えて走り回る兄妹は、やんちゃ真っ盛りで、
ほっとけばいつまでも帰ってこない。
そんな悪ガキたちも、いつの頃からか、教えてもいないのに物わかりがよくなり
まるで、僕を見守るように周りから離れなくなって、
高いところに登れなくなり、走ることも少なくなった。
そしてある日を境に、散歩は僕と娘の二人になった。
一人っ子の僕にはよくわからないけど、兄妹がいなくなるってどんな感じなのかな?
娘も最近はほとんど海まで歩かなくなり、
1日のほとんどの時間を僕が見える場所で寝て過ごす。
相変わらず、食欲だけはあの頃のまんまだけど、
さすがに鼻先の毛がだいぶ白くなったな。
君は、一緒に遊んだ兄妹のことを覚えているのかい?
君の目を見ていると、僕は今でも、やんちゃだった頃の君たちを思い出すよ!